貸借対照表を見る

2009年09月25日

経営者の方は、どちらかというと
損益計算書の方に関心があり

貸借対照表(B/S)は見ない方が
多いですね。

しかし、金融機関は、貸借対照表も
見ています。

では、特にどのようなところを見ている
のでしょう。

これは、資金効率の観点からも意味ある
経営に役立つ知識です。

簡単にお話しをします。

金融機関は、特に貸借対照表の借入金が
どのような資産に転化しているのかを
見ています。

ようするに企業が借りたお金が

「現預金としてそのまま残っているのか」

「商品や材料という在庫になっているのか」

「商品や材料となった後、販売が完了して
 受取手形や売掛金になっているのか」

「設備などの固定資産になっているのか」

といったところです。

さらに細かく見ると、短期借入金と長期借入金
に分けて見ます。

長期借入金の金額と資本の金額の範囲で
設備などの固定資産の金額をカバーしている方が
資金繰りが安全な企業と言えます。

固定資産は、短期的にお金には転化しませんから
短期借入金の返済原資にはなりにくいからです。

ただし、固定資産に対して、長期借入金が極端に
多い場合は、資金効率が悪いと言えます。
赤字の穴埋め資金になっている場合は別ですが

売掛金の回収などによって、短期的に返済できる
ものを、長期借入金により、長期間に渡って返済

するということは、余分な金利を支払っていることに
なります。

そして、粉飾決算を疑われることもあるかも
しれません。

固定資産が増加していないのに、長期借入金が
増加しているということは、売掛金や在庫の中に

架空のものや、不良なものがあるのではないかと
考えるわけです。

このように、資金の使われ方や資金繰りの安定性
不良資産の有無などを中心に分析して、企業の

安全度を見ているわけですが、金融機関は、その
企業に対して、貸出しができるかという観点でも
貸借対照表を見ています。

安全度を見た上で、貸出の判断材料とし、運転資金が
必要なのかという観点からも見るわけです。

経常運転資金や増加運転資金が必要なのかと
いうところです。これらの詳細については以前書いた
記事をご覧ください。
http://kimikoto.ashita-sanuki.jp/e168567.html


無料メルマガ 【中小社長のための豆知識】
 http://archive.mag2.com/0000276311/index.html

 
中小企業が大きくなっていくためには
財務戦略が欠かせません。
http://sanwasakamoto.blog119.fc2.com/


同じカテゴリー(決算書、試算表)の記事
 損益計算書の価値を高める (2009-11-02 07:29)
 自己資本比率対策 (2009-10-29 07:29)
 試算表に対する評価 (2009-10-21 07:06)
 決算書、試算表の見方 (2009-08-27 07:07)
 BKが見る科目内訳書③ (2009-07-07 07:18)
 BKが見る科目内訳書② (2009-07-06 10:34)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
貸借対照表を見る
    コメント(0)