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Posted by あしたさぬき.JP at

粗利益の管理

2009年06月07日

「5月の新車販売、プリウスが初の首位」

トヨタのハイブリッド車「プリウス」が、発売からわずか
2週間で1万台を超え、首位となりました。

「すごいですね、プリウスは。」消費者の環境意識が高いことが
覗えます。

トヨタの経営という観点から見た場合、「プリウス」が
売れるのは良いことなのでしょうか。

中長期的な展望を見据えての販売戦略、競合他社との競争優位性
という観点からの販売戦略において、「プリウス」を主役に
していくことは重要なことなのでしょう。

しかし、短期的な「利益」という観点ではどうなのでしょうか。

「プリウス」が売れているということは、その分他の車種の販売台数
を食っているでしょう。

そこで、「プリウス」が他の車種よりも「利益」が取れるので
あれば問題ありません。

また、「プリウス」を売らなかったことにより他社に販売台数
自体を奪われるのであれば、利益よりも「シェア」を重視する
こともあるでしょう。

まあ、トヨタの話はここまでにして、何が言いたいかというと
中小企業の経営において、売上を伸ばすことと同様に大事
な「利益を増やすこと」を忘れてはならないということです。


企業の損益計算書にはいくつかの「利益」が示されています。

「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」などです。

中小企業の経営者の方は、上記のうち「売上総利益」は、頭に
入っています。いや、体に染み付いているという感じでしょう。

「売上総利益」は、「粗利益」とも呼べますが、「粗利益」は
商売する上で、まず、確保しなければならない利益ですから
経営者にとって、一番意識する利益であるのは当然でしょう。


ちなみに「粗利益」も業種によって、だいぶイメージが違って
きます。

例えば、卸売業や小売業であれば、仕入れた商品に利益をいくら
上乗せして売るかというテーマから決定した結果の、その上乗せ
した利益が「粗利益」になります。

製造業であれば、もっと複雑になり、仕入れた材料の費用に
加工にかかる人件費や光熱費を加えたトータルの製造原価に
利益を上乗せするというテーマになります。

また、サービス業であれば、仕入費用よりも人件費に対して
大きく意識することになります。

業種によって感覚の違いはありますが、だいたい経営者は
自社の扱う商品・サービスのすべてについて、「粗利益」は
把握していることでしょう。

経営者が一人ですべての粗利益を把握しており、管理できる
規模の間は問題ありません。

しかし、規模が拡大するに従って、管理できなくなってきたときが
問題なのです。


卸売業・小売業や製造業であれば、おおむね売上10億円超
サービス業であれば、3店舗以上、もしくは従業員30人超
くらいではないでしょうか。

上記のような規模になってくると、経営者が自身の感覚、体で
感じている「粗利益」は正確なものとは言えません。

経営者は、数字によるデータによって「粗利益」を把握し
管理する必要があるのです。


この時点で「どんぶり勘定」から卒業しなければなりません。

正確なデータを出す、そして、管理するためには「しくみづくり」
と「管理者の育成」をしなければなりません。

「しくみづくり」と「管理者の育成」は絶対に、両方が必要です。

そして、最初は絶対に、経営者がしなければなりません。

業種や個々の企業によって適した「しくみ」や「管理者」は
違ってきます。それは経営者が一番良く分かっています。

ですから、他人任せではダメなのです。経営者は他社の成功事例
などを参考にして、勉強し、自社に適した「しくみ」と「管理者」
をつくっていかなければなりません。

それが、経営者の最も重要な仕事の1つとなるでしょう。

どんどん、他社の見学に出かけてください。どんどん勉強会や
研修に参加してください。経験者や成功者の話を聞いてください。

自己流だけでは限界があります。とにかく、このテーマに対しては
お金や時間を惜しんではなりません。


また、これらのことは「粗利益」の管理というテーマだけでなく
経営全般において必要不可欠なことです。


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Posted by 坂本勇治 at 20:41Comments(0)利益管理